100均ダイソー・サンバイザーのUV・HEVカット性能を分光器で検証! レビュー

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UV・HEVの検証

安価なサンバイザーならダイソーが最強

 一年を通して販売されているわけではなく、季節限定の商品ではありますが、100均のダイソーでは、顔を覆うフェイスシールドタイプのサンバイザーが、220円〜330円という、他ではなかなか真似できない価格で販売されています。
 私は毎年4月頃にサンバイザーが店頭に並び始めると、予備も含めて翌年分までまとめ買いしています。おそらく、ダイソーのサンバイザー愛好家の方々は、みなさん同じような行動をとっているのではないでしょうか?

 ただ、このサンバイザー。価格的には文句なしの最強クラスなのですが、実際にUV(紫外線)やHEV(高エネルギー可視光線)のどの波長帯までカットしてくれるのかは、意外と未知数です。
 なぜなら、この手の商品に定番のように明記されている「紫外線カット99%」という表記は、紫外線帯の全波長を一律に遮断する性能を示しているわけではなく、特定の波長だけを基準にしている場合もあるからです。

 そこで今回は、紫外線帯を中心とした短波長域の測定に特化した分光器「HPCS330UV」を使い、ダイソーのサンバイザーがどの程度UV・HEVをカットしてくれるのかを、実測で検証してみました。


ダイソーのサンバイザー3種類

今回検証するのは

 ダイソー店舗で4月頃から見かける標準的なフェイスシールドタイプのサンバイザー3種類です。

  1. UVカット・ミラータイプ・サンバイザー(紫外線98%カット表記)
  2. UVカット・サンバイザー(ベーシックタイプ)
  3. 雨よけバイザー(厳密にはサンバイザーではないが形状が似ている)

 これら3種類について、UVおよびHEVのカット性能を分光器で測定・比較します。


検証方法

 まず、素の状態(バイザーを通さない)の太陽光スペクトルを測定し、その後、分光器の受光部に各バイザーをかぶせた状態でスペクトルを再測定します。
 2つのスペクトル分布図を重ねて比較することで、各バイザーがどの波長域をどの程度カットしているかを視覚的に確認できます。


太陽光(参考スペクトル)

 測定時期は10月上旬。天気は薄曇りでしたので紫外線強度はピーク時ほどではありませんが、それでもUVB帯からHEV帯(400〜450 nm)まで、幅広い波長の光がしっかりと降り注いでいます。


UVカット・ミラータイプ・サンバイザー

 商品のラベルにはなぜか「紫外線98%カット」と控えめな表記がされています。反射とシールド部の吸収によって紫外線を遮っていると思われます。

 しかし測定結果は、その控えめな表記を大きく上回るものでした。紫外線帯はもちろん、HEV帯の450 nmまで完全にカットしており、顔や目の紫外線対策としてはほぼ完璧な性能です。
 あまりにもきれいに遮断されていたため、測定ミスを疑って2回測り直したほどです。

 我が家にあるのは過去に買いだめしたもので価格は220円でしたが、現在は330円に値上がりしています。
 とはいえ、この性能で330円なら間違いなく安い。見かけたら、予備を含めて3〜4枚は確保しておくことを強くおすすめします。


UVカット・サンバイザー

 ベーシックなタイプのサンバイザーで、商品ラベルには「UVカット」としか記載がなく、詳細な性能は不明です。我が家の在庫品は110円でしたが、現在は220円に値上がりしています。

 スペクトル分布図は、薄い青が太陽光、濃い紺色がバイザー越しの測定結果です。
 370 nm付近までの紫外線はほぼ完全にカットしており、370〜400 nmの波長は大きく減衰。さらに400 nmを超えるHEV帯もある程度カットされていることが分かります。

 性能としては、おそらく標準的なUVカット・サンバイザーと言えるでしょう。しかし220円という価格を考えれば、十分にコスパは高いです。
 とはいえ、もう110円プラスしてミラータイプを買った方が、性能面では圧倒的におすすめです。


雨よけバイザー

 これはUVカット目的の商品ではなく、無色透明なフェイスシールドで視認性を重視した雨よけ用のバイザーです。価格は220円。雨天時に顔へ雨粒がかかるのを防ぐ用途がメインです。
 とはいえ、雨の日でも紫外線は普通に降り注いでいるため、念のためUV・HEVカット性能も測定してみました。

 正直なところ、「たいしてカット性能はないだろう」と予想していましたが、結果は意外にも健闘。
 320 nm以下の短波長は完全に遮断、380 nm付近までの波長は50〜70%をカット、さらに380〜420 nmについてもわずかながらカットしていました。

 UV・HEV対策目的で積極的に使うのはおすすめしませんが、雨除け用途に使う際に「オマケ以上」のUVカット性能がついてくると考えれば悪くありません。


結論

 UV・HEVカットが目的なら、UVカット・ミラータイプ・サンバイザー一択
 透明シールドの雨よけバイザーでも、ある程度のUVカット効果は期待できますが、主目的として使うには力不足です。


まとめ

 ダイソーのUVカット・ミラータイプ・サンバイザーは、価格が安いにもかかわらず、UV・HEVカット性能に関しては申し分のない製品でした。
 実測結果からも、見かけたら「とりあえず買っておけ」レベルでおすすめできる逸品です。

 唯一の難点は、季節限定の商品であるため、販売時期を逃すと入手困難になってしまうこと。
 シーズンを外してしまった場合は、一時的な代用品としてAmazonなどの通販で「UVカット」と明記されたサンバイザーを探すのが現実的です。


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