コロネオ現象とは、オーストラリアの眼科医 Minas Coroneo 教授によって提唱された概念です。医学分野では coroneo effect(コロネオ効果)とも呼ばれ、角膜の側方から入った紫外線が角膜内で屈折・集光し、水晶体や鼻側結膜付近に集中するとされる現象です。
サングラスで紫外線から眼を守っているつもりでも、側面から入り込む光に対しては無防備に近い状態になっている可能性があります。
横から入る紫外線とHEVが目に与える悪影響
コロネオ現象(Coroneo Effect)とは
コロネオ現象(coroneo effect/コロネオ効果)は、オーストラリアの眼科医 Minas Coroneo 教授によって提唱された概念です。
角膜の側方から入った紫外線が角膜内で屈折・集光し、そのダメージが水晶体や鼻側結膜付近に集中するとされる現象を指します。
紫外線から眼を守るためにサングラスを利用する人は多いです。
そして、大多数の人が「正面からの直射光」ばかりを警戒しがちですが、実際には横方向からの光も角膜内で集光される可能性があります。
つまり、一般的なサングラスでは眼の保護が不完全となるケースが多く発生する可能性があります。
紫外線だけではない ― 420nmまでのHEVにも注意
近年、紫外線(UV)に加えて注目されているのがHEV(High Energy Visible Light:高エネルギー可視光)です。
一般に紫外線帯(400nm)に隣接する400~420nm付近の短波長域(いわゆる青色光の一部)は、エネルギーが高く散乱しやすい特性があり、眼に与えるリスクが高いと懸念されています。
- 紫外線(~400nm未満)
- 400~420nmのHEV
この領域はUVカットレンズをほとんど透過しますし、さらに空気中で散乱しやすいため、太陽を直視していなくても側面から眼に入り込みやすいです。
つまり、「眩しくない=安全」とは限りません。HEVや横からの散乱光は無意識のうちに眼に侵入します。
ただし、400~420nm帯のHEVの長期的影響については、紫外線ほど確立した知見があるわけではなく、現在も研究が進められている段階です。
横からの光が強くなる場面
次のような状況では、正面より横方向の光が強いケースもあります。
- 車の運転中(サイドウィンドウからの入射)
- 屋外作業
- 海辺(砂浜・水面反射)
- 雪面反射(スキー・雪かき)
- 窓横でのPC作業
雪や水面は短波長光を強く反射します。
窓ガラスは紫外線の多く(B波以下とA波の短波長側)をカットしますが、380~420nmの可視光は透過する場合が多いです。
そのため室内でも長波長側のUVやHEVは普通に眼に入る可能性が高いです。
サングラス選びで本当に重要なこと
サングラスを購入するにあたり、多くの人は次の3点を考慮して選びます。
- UVカット率
- 可視光透過率
- レンズの色の濃さ
しかし重要なのはそれだけではありません。
① 横からの侵入光を防げるか
側面からの光を遮れない形状のサングラスでは対策が不完全な場合が多く、散乱光が眼に入る可能性が高いです。
② 400~420nm帯のカット性能があるか
レンズが濃くても、UVカットレンズと明記されていても、HEVは透過する場合が多いです。
③ 実用的なサングラスを選ぶには
チェックしたいポイントとして
- 顔にフィットする形状
- サイドまで覆うラップアラウンド型
- 大きめレンズ
- HEV対応コーティングの有無
特に屋外活動や運転が多い人は、“正面の性能”よりも“側面からの侵入経路の遮断”を重視すべきではないでしょうか。
ちなみに私が、サングラスは「色」よりも「遮光構造」が重要であり、紫外線だけでなくHEV対策も欠かせないと考えるようになったのは、白内障・黄斑変性症・緑内障の眼科検診を受けてからです。
なぜUVだけでなくHEV対策が必要だと感じたのか、その経緯や考え方は「目を守る新常識! 眼病予防には、UVだけでなくHEVへの対策も欠かせない?」で詳しく書いています。
真に眼を守るサングラス:まとめ
コロネオ現象は、
横から入った短波長光(紫外線やHEV)が角膜内で集光する可能性を示した概念
です。
紫外線対策は「UVカット率」だけでは不十分な場合が多いです。
- 横からの散乱光を防げるか
- 400~420nm帯のHEVもカットするか
- 眼を覆うようなフレーム形状か
この視点を加えて選択するのが、個人的には眼に優しいサングラス選びの基準となるのではないかと思います。
参考
日本眼科学会 眼鏡装用による眼部紫外線防御効果
Professor Minas Coroneoの在籍するプリンス・オブ・ウェールズ病院(Prince of Wales Hospital)

